吉松泰子のひとりごと

特定施設ケアプラン検証

「介護されるなら‟家”だ」という時代から「介護を受けるなら”特定施設”だ」という時代の到来を予感しました。

全国特定施設事業者協議会では、「看取りケアの研究会」「ケアプランの研究会」「服薬管理の研究会」を開催し、その上で特定施設の方向性を見極め、確実な歩みを進めています。また、質の向上の必要性を感じ、全国各地で「看取りケア」「認知症の介護」「特定施設におけるケアプラン」の講演会を開催致しました。しかし、その成果(質の向上)については、それ程期待しておりませんでした。ところが、3月21日に開かれた特定施設事業者協議会事例研究会では、多数応募があり、その発表の内容の中心は「その方らしい暮らしを提供する」ための介護の実践に有りました。特定協の活動の成果ではと嬉しく思いました。「介護されるなら‟家”だ」という時代から「介護を受けるなら”特定施設”だ」という時代の到来を予感しました。超高齢化社会における「老後の不安」は深刻です。特定施設を含む有料老人ホームが、「老後の不安」を解消し、「日本の老人は本当に幸せだ」と安心してもらえる日本になれるよう、事業者一丸となって努力していけたら幸せだと思います。

 ところで、特定施設は「尊厳ある暮らしを提供する事」は、皆さん周知の処だと思います。そんな中、「‟尊厳”の言葉が抽象的で現実の介護をどうすれば良いのか。具体的に知りたい。」「‟尊厳の言葉”が実感として受け止められない」といった質問を受けます。人間社会においてコミュニケーションをとるうえで一番重要な事は‟相手の方の尊厳を保つ”事だと思うのです。皆さんも実は、日常の中で相手の”尊厳”を傷つけない対応を実践されているはずなのです。それは相手を不快な思いにさせないようにと細心の注意を払うこと。例えば、相手の方がお手洗いに行かれるとしたら、その方が恥ずかしと思われないように、それとなく気配りをされているはずです。そのような気配りや態度こそが、「尊厳ある暮らしの介護」のベースになるのです。社会での対等な人間関係を構築する術は、まず「相手を知る」=「相手の尊厳(一番大事にしているところ)」を知る事から始まります。しかし、介護職となった途端に、‟尊厳を見極める”という行為を失くす為に、介護される方の‟尊厳”が軽視された生活となります。介護される方は「情けない」思いを抱え、人生を終える事になってしまいます。ケアプランに“尊厳”の視点を付加する事こそ、「尊厳ある暮らし」の提供の実践に必要不可欠であると確信しています。
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