吉松泰子のひとりごと

特定施設ケアプラン検証

「家で死にたい」この入居者の願いを叶える為には、“心の病み”に視点をあてたケアプランでなければならない。

「家で家族に見取られて死にたい」これは、高齢者の願いです。しかし、核家族、自由主義の現代において、高齢者の願いをかなえることは困難な状況です。このため、介護は社会でみましょうとの目的で、介護保険制度の設立の一つの目的であったと思います。介護保険制度設立から10年。高齢者が安心する介護体制が確立できたのでしょうか。国家財政を脅かすほどの膨大な介護保険料と医療費が予算計上されていると言うのに、なぜ「老後の不安」が日本国民全世代の不安となっているのでしょうか。この事が日本の将来に霧をかけ未来を曇らせている原因の一つになっていると思います。

行政も、特別養護老人ホーム、老人保健施設、特定施設等々、高齢者の介護を重視した制度を整備してきたと思います。しかし、一向に「老後の不安」を解消する事ができていません。その責任の一端は、きっと“私たち事業者”にもあるのではないでしょうか。このような意見を申しますと、バッシングを受けるのではないかと怖いですが。行政側の問題は、制度が成熟し自立した制度となるための指導を怠った事によるのではないでしょうか。制度を「作りっぱなし」の状況のように思います。行政が作った制度の理念、目的は崇高なものがあります。しかし、その制度から、理念、目的が抜け落ちて、抜け殻の制度、つまり魂をぬかれた制度となっているのです。ですから、いくらお金を費やしても、国民を支える制度となっていないのが今の現状ではないでしょうか。

 老人ホームの事業者は、その制度に魂を入れるべく、日々の業務に尽力し、日本から老後の不安を払拭できれば、「予算をひっ迫する介護費」という国民の不満は払拭され、「このような介護をしてもらえるならば、お金がかかるのは当然」と思って頂けると思います。すると介護職員も待遇改善は勿論、若者の就職難の解消にもつながると思います。特定施設におけるケアマネジメントの質の向上を目的として、 平成23年8月~12月迄「特定施設ケアマネジメントに関する研究会」が開催されました。“尊厳ある暮らしを提供する事”を目的としたケアプランが重要であるとの報告となりました。その後1年、特定施設でのケアプランに変化はあったのでしょうか。老人ホームが“家”となるには、そこには家族が必要です。ホームの職員が家族となり、入居者を家族として心配し、共に喜び、悲しむ…そのような人間関係を構築し、高齢者に心のよりどころとなるケアプランを作成してください。
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